PROFILE
山下シオン プロフィール
(やました・しおん)
石川県出身。出版社に勤務し、女性誌、男性誌で、きもの、美容、ファッション、人物取材や医学などの読み物、旅の取材など多岐にわたる分野の編集に携わる。2007年よりフリーランスの編集、ライターとして活動。現在は歌舞伎やバレエ、ミュージカルといった舞台芸術を中心に編集と執筆をしている。これまでに手がけた書籍は『坂田藤十郎 歌舞伎の真髄を生きる』『カメ流』『吉田都永遠の一瞬』『十八代目中村勘三郎』など。舞台芸術をはじめとした美しいもの、美味しいものをこよなく愛す。 シオンという名前は本名で、聖書から取ったもの。
撮影/岡積千可 ヘア&メイク/AKANE
自分が見出した素敵な“物語”を届ける
「シオンの部屋」は、私が伝えたい“物語”を集めた場所である。 情報過多な世の中で、編集という仕事に携わってきた私は、自分の視点で見つけたことを自分の言葉で伝えることを大切にしてきた。私が目指している取材対象を選ぶ基準は、人であれ、場所であれ、モノであれ、有名だとか、無名だとかは関係ない。どんなことにも必ず物語があるからだ。編集者とライターとして記事を執筆するようになって、その知られざる物語をお伝えすることに、使命感と幸福を感じるようになった。だから、出会ったり、見つけたりした取材対象とまっすぐに向き合い、どう伝えれば、自分が面白いと思ったことを第三者に伝えられるかということを追求してきた。
今回、私は“自分の言葉の力を信じる旅”を始めようと思い、このサイトを立ち上げることを決めた。私が自分の人生で出会った素敵な物語をお届けしたいのだ。最近の主流である「バズる」ことを目的にするのならば、多くの人たちに注目されていることや人を扱った記事を書けばいいのかもしれない。しかし、自分のサイトなら、好きなことをテーマにして、発信していける。そう思って、挑戦することにした。
これは、単に“発見ハンター”のような自己満足を目指しているのではない。どんな小さなことであっても、そこに幸せを感じたり、笑えたり、ちょっとした共感が得られたり、その小さな出来事が人の人生を導くような大きな力になり得ることもあるのではないだろうか。一人の書き手として、そう信じている。
渡辺和子シスターの著書『置かれた場所で咲きなさい』にあるように、私は、この場所で花を咲かせたい。私の視点で見つけたことを、私が書くことで、たった一人でもいいから、誰かの心に届けられたら……。それが私の願いである。
2020年9月10日 山下シオン
ロゴデザイン/縄田智子(L’espace)